- 痛風
- 投稿者:浜崎外科整形外科医院 院長 浜崎 恵
1 痛風ってどんな病気ですか?
血の中で尿酸という物質が増え飽和した尿酸塩の結晶が引き起こす急性関節炎、尿路結石、腎障害などの一連の症候群です。圧倒的に男性に多い病気です。
急性の関節炎は痛風発作として有名で下肢の関節、特に、足の親趾に発赤、腫れ、激しい痛みがきます。
2 治療はどうすればいいのですか?
痛風発作の治療に、コルヒチンという薬が比較的有名ですが、副作用として下痢などの消化器症状があったり、発作の極期には効果が少ない事があるため、最近はこの薬を使わない先生も増えています。
そこで、発作に対して、専門的には非ステロイド系抗炎症薬、いわゆる痛み止めを使い、痛みと腫れなどの症状の軽減をはかります。
発作は通常1、2週間で軽快し、次の発作まではまったく無症状に経過します。
3 発作が治まれば他の治療はしなくていいのですか?
血中の尿酸値を高いままにしておくと、痛風発作の頻度が増加し、膝関節などの大関節にも発作が起るようになり、やがては慢性の関節炎に移行します。また、腎障害、尿路結石なども起こり得ます。
そこで、すでに痛風発作のあった人は原則として、尿酸コントロール剤による治療が必要です。
4 再び発作を起さないように尿酸を下げる薬をすぐに飲んだほうがいいのですか?
痛風発作は血中の尿酸をさげても症状は改善せずに逆に増悪させてしまいます。尿酸コントロール剤の治療は、発作が、痛み止めなどで完全におさまってから開始するのが原則です。
尿酸コントロール剤には尿酸の合成を阻害する薬と尿酸の尿への排泄を促進する薬の大きく分けて2種類の薬剤があります。どの薬を飲むかは副作用の関係もあり主治医と相談してください。
5 尿酸血が下がれば、もう薬は飲まなくていいのですか?
尿酸が高い人は、半永久的な代謝異常があり、薬をやめるとすぐに、尿酸値は元に戻ります。高血圧やコレステロールの薬とおなじように、長期に続ける必要があります。
6 尿酸が高い人や痛風の人は肉は食べてはいけないのですか?
今までに症状が全くなくて、ただ尿酸が高いだけの人は薬を飲まなくて、食事制限などの生活指導で経過を見ることがあります。最近では、痛風の発症は過食、特に過剰のエネルギー摂取やアルコール飲料の過飲と関係あると裏づけられています。
そこで、生活指導だけの人や痛風患者さんに対しての食事指導は、基本的には、総カロリーの制限が中心であり、昔のように肉は食べたらダメこれは食べたらダメというような質的制限は不要で、肉類も多くなければかまいません。
ただし、動物の内蔵やビールには痛風に悪いと言われているプリン体という物質が多く含まれているので極力制限しましょう。