一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 機能性出血
  • 投稿者:牛嶋産婦人科クリニック 院長 牛嶋 春生

以前、子宮癌と更年期についてお話があっているようですので機能性子宮出血について話してみます。

定義:
子宮内膜よりの出血で、月経と器質的疾患や血液疾患を除いたもの。となってます。簡単に言いますと、子宮からの出血で子宮癌や妊娠流産、内科的な疾患で血が止まりにくい病気などがないものです。

 

病態:
月経は間脳、下垂体、卵巣のホルモンバランスに子宮が周期的に反応し規則的に子宮内膜が剥がれるものを言います。このホルモンバランスが崩れるため機能性出血が起こります。大抵は排卵が起こっていなく、思春期や更年期の時期に起こりやすいです。排卵障害は逆に無月経という形で現れる場合もあります。

機能性出血は軽いものは排卵があれば良いわけですから自然治癒することもありますが、ほっておくと大量出血を持続しホルモン治療では治らず、手術(内膜掻爬術?)を行わないと命を落としかねない様なこともあります。

 

診断、治療:
基礎体温、血中LH.FSH,E2,プロゲストンなどのホルモン検査、超音波検査、組織検査などを行います。治療には止血剤を使うこともありますが最終的にはホルモン剤を使用します、内服のこともあれば、注射のこともあります。

ちょっと、解りにくくなってしまいましたが思春期の方は妊娠ではないことを確認後、ホルモン剤で2~3ヶ月月経をコントロールし様子を見ます。癌の心配は少ないのですぐに内診する必要はないです。
中高年の方は子宮筋腫や子宮癌のないことを確認後同様の治療を行い、そのまま更年期治療に移行するような事もあります。また、無月経が持続した後、機能性出血を繰り返す様な事もあります。

いずれも、ひどくなる前に一度産婦人科を受診して下さい。

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