- 下痢・便秘について
- 投稿者:二宮外科胃腸科医院 院長 二宮 建二
腸管の異常(主として機能亢進)に基づく病状で 慢性の便秘、下痢、便秘下痢交替、腹痛、ガス症状などの腹部症状を呈し、その発症経過には、心理的な 因子が関与している場合があり、このような状態を過敏性大腸症候群という。
一般に習慣性便秘、慢性大腸炎として扱われる症例の中には案外本症が含まれている可能性 が高い。
一般に本症は若層年性に多く、男性では下痢型、女性には便秘型ないしは便秘型ないしは便秘下痢型が多い。症状は慢性化しやすく、消化器病以外に全身症状、精神症状を伴うことも多い。
治療として生活指導:症状の悪化の誘因となる過労、身体の冷え暴飲暴食、感冒、精神的ストレスを避けるように心がける。
一般に睡眠、仕事、休養、遊びなどのバランスに注意し規則正しい食生活排便習慣の確立にも気をつける。
食事療法:食餌性による症状を悪化しやすい症例には腸管を刺激するような冷たいもの、揚げものコーヒー、アルコール類、炭酸飲料、牛乳などの食品は避けるようにする。
従来繊維の多い食品は避けるべきとされていたが、最近では煮た野菜など柔らかい繊維類は積極的に取ったほうが良いと言われている。
心理療法:本症患者は一般に神経質過敏な性格傾向の人が多いので医師、患者の信頼関係が特に重要である。患者の訴えや悩みに耳をよく傾けよく説明をする。
また、慢性的に繰り返す病状のため患者は病気への不安が強くなっているので検査をしてその結果をよく説明し、悪性の病気でないことを十分に説明する。