- 爪みずむしについて
- 投稿者:永田皮膚科医院 院長 永田 正和
爪が白くなったり、厚くなったり、黄褐色になったり、もろくぼろぼろになったりしたら爪みずむし(爪白癬)の可能性があります。
「 えっ!! 爪もみずむしになると?」と言われる患者さんがおられます。みずむしは足だけではなく、爪にも髪の毛にも住みつきます。
みずむしは、カビの仲間である白癬菌が原因で起こる病気です。
この白癬菌というカビはケラチンというタンパクが大好物ですので、ケラチンのある皮膚や爪、毛にも感染するのです。
みずむしの患者さんは全国1000万人以上といわれています。昨年2000年に全国の皮膚科専門医の所で “足の疫学調査”を行い、足のみずむしの中で爪にもみずむしのあった人は約半数(48%)でした。
一度爪の中にみずむしが住みつくとなかなか治りにくくなります。足のみずむしは治ったと思って治療をやめていると、爪に隠れていた白癬菌がまた感染してみずむしが再発してしまいます。みずむしが治りにくい原因の1つが爪みずむしのためでもあります。また知らないうちに家族にもうつしてしまう可能性も高いです。
そこで、爪みずむしがある方は、元から絶たなければダメということになります。ではどうすればいいか?
爪のみずむしは外用薬(ぬり薬)では、薬が爪の中まで浸透しないため、なかなか治りません。そこでよく効く のみ薬が開発され、6ヶ月程飲めば完治することが期待できるようになりました。しかし、この薬には副作用もありますので、すべての患者さんが飲めるわけではありません。
爪みずむしかなと思ったら、まず患部の皮膚や爪を少し削り、顕微鏡で調べ、白癬菌を見つけることが大切です。
見た目にはみずむしのように見えても、みずむしでない病気もたくさんあります。間違いなく爪みずむしであれば、その患者さんの体に合った治療法を医者とよく相談され、どの治療法が一番良いか決めることが大切です。爪に隠れたみずむしも適切な治療で治ります。
爪みずむしかなと思われたら、一度専門医の治療をお勧めします。