- アレルギーと白血球
- 投稿者:仏坂内科医院 院長 佛坂 博泰
最近といっても10年前からのことではあるが、アトピー性皮膚炎・がんの患者さんが増加した。
食生活の変化と大気汚染。なんでも消毒、食物への防腐剤の添加、飲料水の汚染…これらが食事の脂肪化に微妙に絡まって、アトピー性皮膚炎となってきている。いわゆるそういった因子によって、白血球の食細胞が活性酸素を過剰に発生する訳である。
活性酸素により脂肪が酸化され、保湿性を失った皮膚がアトピーへと進化させる。また活性酸素の細胞への刺激で、染色体の障害・がん細胞の発生がおこる。分子量の大きい動物性脂肪が影響をうけやすいわけである。
また脂肪は単純にエネルギー貯蔵庫と考えられていたが、分泌機能を持つ褐色脂肪細胞があるのが注目される。いわゆる発がん性物質への懸念だ。特に乳がんはこの脂肪が関連しているようだ。
リンパ球にヘルパーT細胞がある。
TH0からTH1: がんの細胞をやっつける細胞を活性化するサイトカインを発生する。TH0からTH2:アレルギーにより増加。がんの発生を助長させるサイトカインを発生する。この TH1/TH2 のバランスでアレルギーが起こり易くなる。
不思議と、がんとアレルギーがある処まで同じ過程にある。好塩基球とアレルゲンを繋ぎ合わせるIgEが、これまたアレルギーに繋がってくる。
当医院ではこの活性酸素、ヘルパーT細胞(TH0⇒TH1、TH0⇒TH2)、IgEを眼中においたアレルギー治療を行っている。
白血球のキラー細胞・キラーT細胞・貪食細胞はまさにがん細胞をやっつける細胞そのものだ。食細胞による活性酸素の発生。好塩基球によるヒスタミン・ロイコトルエン発生。アレルギー、ショック状態、がんの発生といろいろの病気が白血球と密接に関連している。このT細胞は人間の寿命にまで影響をあたえている。いろいろな病気がこの白血球に繋がっている。