一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

くわの眼科医院 院長 篠原 康之

  • コンタクトレンズ注意報
  • 投稿者:くわの眼科医院 院長 篠原 康之

コンタクトレンズを使用している方への注意報です。

 

日本眼科医会の『平成12年度コンタクトレンズによる眼障害アンケート調査』の結果をお知らせいたします。
調査機関から1年間に68,045件の報告があり、推計すると全国で年間120万件ものコンタクトレンズ(以下CL)による眼障害が発生していることになります。

 

障害の原因は「洗浄が不良」「長時間装用」がそれぞれ約35%、「不適切な消毒」が約25%で、この3つが障害の原因のほとんどを占めています。
CL自体の原因では「汚れ」が約50%を占め、その他「キズ」「材質劣化」「破損」「変形」などです。

 

眼障害を起こした患者のCLの種類では、ソフト系CLの割合が約75%を占めています。ソフト系CLの使用者の率が年々大きくなっていることを考えると、今後さらに高率に眼障害が起こると推測され、ソフト系CLには特に注意が必要となっています。

ソフト系CLには、通常のCL(使えなくなるまで使用するタイプ)、一定期間しか使用できないCL(ディスポCL=使い捨てレンズ)があります。
ディスポCLには1日、1週間、2週間、90日で交換するタイプがあり、2週間、90日タイプは毎日の洗浄消毒が不可欠です。ディスポ系CLは洗浄消毒のケアが不要であると誤解して、ルーズに使用されるケースがあり、CLを処方された機関での説明指導が適切かつ十分にされていない可能性も考えられます。

 

CLの処方・入手方法は、眼科病医院が66%、CL診療所やその他眼鏡店、CL販売店、通販が33%という結果です。初回のみ眼科医療機関で処方され、その後はCL販売店やディスカウント店で購入するケースも考えられられます。眼科医療機関以外では「適切な指導」が十分になされず、いわゆる「売りっぱなし」の状態で、トラブルも多く発生しているようです。

 

眼障害を発生させないためには、眼科医による定期検査(アフターサービス)が受けられる機関でCLを購入し、使用方法をきちんと守り、なるべく長時間の装用を避けることに留意してください。

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