- ばね指とは?
- 投稿者:浜崎外科整形外科医院 院長 浜崎 恵
手の指を曲げたり伸ばしたりする時に手のひらの指の付け根の痛みがきたり、また、曲げ伸ばしの時にカクカクと抵抗感があったり、指一本が曲がったままで、伸ばそうとしても痛くてできないなどで来院される患者さんがいます。考えられる病気の一つは、ばね指です。
原因
手のひらの腱鞘炎(けんしょうえん)によって起こります。指を曲げる腱(屈筋腱)とそれを包んでいるのが腱鞘(ストロー状)で、何らかの原因で腱鞘に炎症を起こし、腱鞘が厚くなり、屈筋腱が腱鞘の中でスムーズに動かなくなって、ひっかかる状態です。このひっかかるのが、ばねに似ているので、こう呼ばれます。
治療
保存治療(手術ではない治療)1
手の使いすぎで起こることが多いので、まず痛い指の安静を保つようにします。痛みがひどい時には、痛み止めの薬を服用したり、局所の温熱治療や湿布などもおこないます。
保存治療2
上述の治療を続けても治らない時は、痛い局所にステロイドホルモン剤という炎症を強力に抑える注射をする事があります。ただし、糖尿病のある方にはこの注射は打たれません。
手術療法
保存治療を行ってもどうしても治らない時や指が曲がったまま伸びない状態が続いた場合などに、手術を考慮します。手術は、炎症によりスムーズに動かなくなってしまった腱と腱鞘を、腱鞘の一部を切開することで解決させます。これにより、腱の滑りが良くなり、正常な指の動きが戻ります。
参考資料:エーザイ株式会社 リーフレット
平成21年10月