- 頭痛…我々人間が一生に必ず一度は経験する症状…
- 投稿者:丸山病院 松永 雅道
頭痛は人類が生を受けて以来、常に我々を苦しめ続けた症状です。古くは、古代ギリシャ、中国古代王朝、日本では奈良時代より文献に登場しています。例えば、頭痛に悩まされた有名人では、魏の曹操(映画レッドクリフに登場)、日本の樋口一葉などがいます。
「頭痛」=「あたま、いた」です。日本語の起源を辿ると「あ」=先頭。「た」
=「手」。「ま」=「丸い」。「いた」=「イタイ」からきた擬音語。つまり、手で覆える程度の丸いもの=頭。の痛みという意味です。
医学の神様と呼ばれている人は世界中にいます。日本では、素戔鳴尊(すさのうのみこと)の子で因幡の白兎、出雲大社で有名な出雲神話の主神の大国主命(おおくにぬしのみこと)。中国では神農、ギリシャではゼウスの子のアポロン等が有名です。その中に頭痛の守護聖人と呼ばれている人々もいます。ナポリの司教であった”聖アスピリヌス”。ナポリにある彼の銅像の足下の穴に頭を入れると頭痛が治るといわれています。日本では、仏教界の守護聖人”賓頭盧(びんずる)”釈迦の弟子で十六羅漢の第一番目、病人が自分の患部と同じその像の箇所を撫でて病気の回復を祈願するとこから(なでぼとけ)といわれています。
頭痛には数多くの原因、軽度のものから死に至るものまで様々です。
頭痛を引き起こす病気を列挙してみると次のような病が挙げられます。
片頭痛、群発頭痛等典型的な頭痛の他、眼科領域では、眼精疲労、急性緑内障発作等。婦人科領域では、月経時痛等。脳神経外科領域では、三叉神経痛、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、静脈洞血栓症、低髄液圧症(髄液減少症等)。小児科領域では、上気道感染症等。耳鼻科領域では、副鼻腔炎等。その他、鬱病等精神科領域に関するもの等多種多様です。又、一旦、頭痛を発症すれば、皆様経験があると思いますが、仕事、家事等への意欲、集中力等の著しい低下や酷くなれば鬱病の発症にて、欠勤、長期離脱、仕事上のミス等社会的な生産性の低下を来す重大な問題をはらんでいます。
たかが頭痛とあなどらず、まず、かかりつけ医を受診ください。思わぬ病気が潜んでいる可能性もあるのです。
平成21年5月