- スポーツ外傷・障害の予防
- 投稿者:菊池整形外科医院 院長 菊池 卓
スポーツは、今や老若男女が参加しその目的も健康の保持、増進、楽しみ、教育、目的達成、リハビリテーション、社交に至る迄、様々で有ります。
スポーツはこの様に私たちの生活から切り離せないものになっていると言って良いでしょう。
しかし私達の日常の生活活動に於いてケガがついて回る様に、ケガはスポーツにもつきもので有り、残念なことに、ケガを完全に予防することは困難が有ります。
幸いにも、スポーツによるケガの多くは軽いものですが、軽いケガでもスポーツを行なう上では、大きな影響が有ります。
スポーツの中でも競技レベルが高くなる程、ケガの程度も重くなる恐れも有り、又練習量が増えると「使い過ぎ症候群」と呼ばれる故障が発生し易くなります。
この様に運動の繰り返しは、運動器官に何等かの変化を来たすものであることを十分認識して行なうことが大切で有ります。特に成長期のスポーツ運動は、それが偏ったり、過度になると、骨、軟骨、関節などに悪影響を及ぼし、多くの障害を引き起すことは明らかであります。
最近では、個々のスポーツによって起こり易い障害については、その病態の解明や治療法など著しい進歩がみられます。
しかしすでに生じた、外傷や、障害の治療は単に一つの側面に過ぎず、多くのスポーツ障害が不可抗力によって生ずる場合より、予防し得たと考えられる場合が多く、発生予防への努力が何よりも大切で有ります。
「スポーツ障害の基本的予防策」
不可抗力の要素が強いスポーツ障害の防止には、多面的な配慮が必要である事は言うまでもありません。
1.選手個々の平素からの身体的、精神的なコンディショニング
2.自己能力の正しい認識
3.オーバートレーニングを避ける
4.十分なウオーミングアップとクーリングダウンの実施
5.競技ルールの順守
6.粗暴プレーの禁止
7.設備や用具の点検整備
8.環境、気象状況等の把握
以上のことに配慮し極力防止に努める事が大切で有ります。
注)認定スポーツ医について
学校スポーツ、競技スポーツ、健康スポーツ等の現場からの要請により日本整形外科学会では昭和61年にスポーツ医制度が発足し、診断、治療は勿論、予防に至るまで指導出来る体制が整っております。
スポーツは生涯を通じて、楽しみたいものです。スポーツ医はその為の良き相談相手だと考えて頂きたいと思います。
参考までに:
現在、スポーツ医制度に次の3つの制度が有ります。
1. 日本体育協会の公認スポーツドクター
2. 日本整形外科学会 認定スポーツ医
3. 日本医師会 健康スポーツ医