一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

上野整形外科 院長 上野 博章

  • 脚でつかもう!健康という幸せを
  • 投稿者:上野整形外科 院長 上野 博章

いわゆる「生活習慣病」は運動不足が大きな要因であり、運動療法がすすめられる。「ニコニコペース」で歩く方法もその効果が実証されている。それは老廃物である乳酸が蓄積されず、有酸素運動により完全燃焼し分解するから疲労感も残らず安全な方法とされ、1回20~60分間を週3回位苦しくない程度のやや早足で歩くのである。以下は自験をもとに、何か参考になればと思い、この10年間あゆみを簡単に述べたいと思う。

逆上ること10年。私が、48才を迎えた正月におとそを飲みながら1年の計をあれこれ考えていた時に、ふと思いついたのが、60才になった時フルマラソンができる程度の健康な体があれば、ということでした。元来長距離ランニングは苦手でしたが、まず2~3km軽く走ってみました。3日間位やった時膝の外側に痛みが出現し、腸脛靱帯炎をおこしました。

 

2~3週間休んで痛みが軽減したところでウォーキングに変更しました。腰痛があったワイフと一緒に三沢から端間まで約5kmを1時間以上かけてゆっくり歩きました。胸の苦しさや筋肉の張りもあまりなく、帰りは電車を利用しました。

1週間後の土曜日にどこまでとなく歩き始めて、久留米まで約14kmを3時間かけて完歩しました。当然2人共初めての経験でしたので、ふくらはぎの張りはありましたが何とも言えない達成感があったことが今でも思い出されます。その後居酒屋でビールで乾杯して、爽快な気分で電車に乗って帰りました。その後もできるだけ毎週久留米までウォーキングをやり、ワイフの腰痛もなくなりました。

 

ある時、組内の寄り合いでウォーキングが話題になり、小郡市に成人式の祝賀駅伝に参加してみようとの意見が出て早速チームを作りました。健康の為の運動ですので、ケガや事故につながるようなことがあってはいけません。練習は各自の能力に応じて徐々に体慣らしから始めました。10月になって毎週日曜日の朝7時から約1時間です。約3ヶ月間の練習の結果、1月の駅伝大会で無事に完走してこの上ない美酒を味わいました。それ以来連続10回駅伝に出場し、今年の1月表彰されました。(第1回目の出場の時、10回は参加しようと目標を立てていましたので、この表彰は格別の感がありました。)また、初期の目標(フルマラソン)達成の為に、福岡近郊で行われる健康マラソンにも参加するようにしました。10km、ハーフマラソンなどを2~3ヶ月に1回中間と一緒に走りました。ペースはマイペースを守り、ゆっくりと息苦しさや痛みが出ない程度で走り、それが終わってみんなで健康で走れたことに感謝しながら打ち上げでおいしいビールを飲む。また、翌日は元気に仕事ができる程度で、決してタイムにこだわらずにやってました。

 

ウォーキングを始めて6年が経過した2000年には、フルマラソンを約5時間半かけて完走できました。(指宿の菜の花マラソン)それ以来年1回はフルマラソンを走れるように、日頃からウォーキングなど軽いジョギングをやっています。還暦まであと2年!このペースを維持して近所の人たちとホノルルマラソンに参加してフルマラソン完走を夢みています。

車社会で歩くことを避けてきた結果として、筋力低下、体重増加になり、ストレスも加わり全身的局所的な循環障害を起こし肩こり、腰痛となることも多い。歩くことは、有酸素運動により認知機能の向上、改善にもなるようです。

 

何はともあれ、自然の中でゆっくりと1日に30分間以上歩くことはさまざま発見もあります。人間は、二本の脚で歩くことにより進化してきた。今はそれを避けて退化(?)の中にあることを認識してせっせと歩くことが自らの幸せを得る為に最も必要であり、最も基本的な動作である。「やる自分、やらぬも自分」
財政難の医療、介護保険を維持、存続させるには各個人の心構え次第と思われる。「まずはやってみよう、歩くこと」「きつい、・・・・・は今は昔」

 

 

 

 

平成17年4月

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