- 生活習慣病の治療は歯磨きと同じです
- 投稿者：大刀洗診療所 院長 橋本 朋也
現在の日本での三大生活習慣病は高血圧、高脂血症、糖尿病の3つです。当院にかかわらず、毎月診療所に通って投薬を受けている方のほとんどの方は上記のいずれかの治療を受けていると思います。生活習慣病はその名の通り生活習慣がかかわる病気ですがそれ以外にも共通した大きな特徴があります。
それは初期には症状がなく、進行すると大きな症状の引き金になるということです。脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、透析、網膜症による失明、足の壊疽による切断などがその症状で、そのため先々のことを考え症状がない初期の段階から治療をします。
これを予防的治療といいます。
症状のないときから治療をするため時々患者さんから敬遠されます。「血圧の薬は飲み始めたら一生飲まないといけないんでしょう」などと言われます。
患者さんにより良く分かってもらえるようにと私は良く「生活習慣病の治療は歯磨きと同じです。」といいます。
歯磨きはしてもしなくても、普段の生活は特に変わりません。
歯ブラシも歯磨き粉もただではありません、また時間もかかります。
お金も時間もかかりますが、それでもみなさん歯を磨きます、それは虫歯になるのを防ぐためです。
もし虫歯になってしまえば、痛みを伴い食事も食べづらくなり苦痛を伴います。また治療するためには歯磨き以上のお金と時間がかかります。
虫歯になった人を見たら皆さん「ちゃんと歯磨きしていたら虫歯にならなかったんじゃないの」と思いますよね。
ここまでの話は皆さん常識ではないかと思います。
ここで歯磨きを生活習慣病の治療とおきかえ、虫歯を大きな病気と置き換えます。
実は全く同じことなんです。
生活習慣病の治療はお金も時間もかかってしまいますがきちんと受けてください。大きな病気にかかればそれ以上のお金と時間がかかります。それよりなによりも病状によっては命にかかわることもあります。
生活習慣病の治療をきちんとしていない人が、脳梗塞や心筋梗塞になり入院治療になった場合、医師としては歯磨きをしなくて虫歯になった人と同じ感じを受けます。
「この人が生活習慣病の治療をきちんとしていたら病気を発症しなかったかも」
そう思うとすごく歯がゆい気持ちになります。患者さん自身もそうだと思います。
健康診断や自宅の血圧計などで生活習慣病ではないかといった状況がある方は是非一度お近くの内科診療所で相談をしてみてください。
よろしくお願いします。
平成２８年６月
