- 子供との対話(接触)
- 投稿者:高橋クリニック 院長 高橋 一石
乳幼児との接し方への助言
児は、胎内にいる時は、聴覚が最も早く発達していると言われている。
昔は、胎教は迷信みたいに言われていたが、最近では聴力を通して外の世界を感じていると言われている。
妊娠中も穏やかに胎児に話しかけたり、音楽も聴かせて頂きたいと思う。
出生後、新生児期から生後4ケ月位までは、本能的反射にて成長してほぼ首のすわる頚定後は学習で成長していくと思われる。
(まだ子供はわからないから)ではなく、子守歌や絵本を読んであげたり話しかける事がそれ以降の成長に大きく影響を与える。すでに一人格をもった人間として接して欲しいと思う。
それは、乳幼児期を過ぎ、小児期、思春期を通過して成熟期に入るまで続けて頂きたいと思うことでもある。
乳幼児期は、顔と顔を合わせての対話、眼と眼を合わせて会話する大事な時期、トレーニングの時期でもあろう。膝の上に抱っこされながら、自分を受け入れ肯定されている愛を感じながら,する様々な会話が、子供を成長させていくであろう。
日常の煩雑な保護者の生活も厳しく、心の余裕が得られにくいと思うであろうが、やがて子供もその世界を歩むのである。子供がその時に、自分の親は、保護者は、どういうふうにしていたかな?と思う。
(子供は親の背を見て育つと云うが…)正にその通り、身近な人を思い出す。
会話する術を修得している人間は、問題の壁を乗りこえる力も方法も容易になるであろう。
学校で問題になっている、いじめの問題も子供達のフラストレーションの現れであると思われる。表現する方法、他者との違いを受け入れる柔軟な言葉、会話力があればマスコミで報道されるような悲惨な結果までいかなかったのではないだろうか?と昔人(ムカシビト)の私の感想である。
乳幼児期は、頭をなでたり、ギュッと抱きしめたりのスキンシップをしながら子供に沢山話しかけて頂きたいと思う。今日一日、保護者の世界を語りかけるのもよいのではないかと思う。(今日、お母さん、こんな事をして楽しかったのよ。)(今日、お父さんはこんなことあって、辛かったなぁ。だけど、頑張ったんだよ。)等どんな形でもよいのではないだろうか?幼児になれば子供も(今日は、こんなことあって楽しかったよ。辛かったよ。)等の表現もできてその日一日の子供のストレスも取れるようになるのではないかと思う。
対話する力を子供に育ててあげるのも、食事や衣服を与えるのと同じではないだろうか。
電車の中やレストラン等、公共の場所で子供もその保護者もお互いがスマホに興じているように思われる光景を目にする。迷惑をかけぬよう静かにさせるよう子供にスマホを与えていたりすることもあるであろうが、案外子供はそういう場合、(静かにしていようね)の言葉でわかる時もある。
世の中に色々な人がいて、(おなかの痛い人もいる)よ。(悲しい思いをしている人もいる)よ。静かにしていようね…と教える場でもなかろうか?子供達がゲーム等スマホばかりしていると自分の世界しか知らないようになるのではと思うことがある。
電車の中から見える風景の変化、様々な人の動きをせっかく学ぶ機会でありそれらを保護者と共有する中で旅の楽しさをお互いが共有でき、子供との絆を確かなものにするのではないだろうか…
山が見えたねぇ、雲が流れていたねぇ、雨が降っていたねぇ、荷物をたくさん持っている人いたねぇ…など、その日する子供との会話も増える。
会話を子供とする大事さについて考えるのである。
平成29年11月