- 心についてよくある誤解
- 投稿者:あかし心療クリニック 院長 明石 広海
誤解その1 : 弱い人間が心の病になる
うつ病になりやすい性格 : 真面目、几帳面、完璧主義、社会規範を重んじる
→これらは日本人の理想的な気質とされてきたもの、つまり日本で言う人格的に立派な人達が最もうつ病になり易い人達という皮肉な事実がある
⇒ 真面目な人が限度を超えて頑張りすぎて心の病になる
心が強いと自分で思っていたり思われている人の方が実際は心の病に陥り易い
誤解その2 : 休日は寝坊してゆっくり過ごす
体内時計のリズムは入眠時間に関係なく起床時間により決定される(目を開けた時に網膜に光が当たりオンセット)が、休日にいつもより遅く起床すると、その時間に体内時計がオンセットされて翌朝仕事に間に合うように起床することがつらくなってしまう
⇒休日も平日と変わらないリズムで過ごした方がいい
誤解その3 : 身体を休めれば心も元気になる
●心が疲れている時に自宅でゆっくり休んでしまうと、色々と考え込んでしまいかえって悩みが深刻化してしまうこともある
●身体を動かすと、β-エンドルフィンやセロトニンといった情動安定物質が脳から多量に分泌される
⇒身体を動かすことで心の疲れが軽減されることもよくある
誤解その4 : 部下の悩みを聞くには飲みニケーションがいい
●仕事だけでも精一杯なのに、仕事以外でも拘束されることは相当高い負荷となる
●酒の勢いで話したことは、後で「言わなければよかった」と後悔することも多い
●上司もお酒が入っているので、部下の悩みを聞くはずが、「俺も苦労しているんだよ」、「だからお前は駄目なんだ」などと、余計な愚痴や説教を言ってしまうとも限らない
⇒深刻な心の問題を抱えた部下の話を聞くのなら勤務時間内を原則とする
誤解その5 : うつ的な人に頑張れは禁句
●問題なのは頑張ることではなく、頑張り過ぎること
●人や状況次第では、頑張らなくていいと言われると存在を否定されたような気になる
⇒「頑張りすぎないよう、頑張ろう」とアドバイスしてもいい
平成27年9月