- 視力が落ちたような気がする・目が疲れる
- 投稿者:くわの眼科医院 院長 篠原 康之
「視力」は遠方視力(遠くを見る力)と近方視力(新聞や本を読む力)に分けられますが、通常、遠方視力を意味します。
視力が落ちる場合、多くは屈折異常(近視、遠視、乱視)が関係していますが、近方視力が落ちる場合は、調筋力の低下を意味し老眼(老視)といいます。
そこで、視力が落ちたと感じる場合に確認してもらいたいことは①見えにくいのは遠くか近くか②最近急に見えなくなったのか、だんだんと見えづらくなったのか③右目と左目の見え方に大きな差があるか(手で片目を隠し左右交互に見比べる)です。基本的には眼鏡装用で対処することになりますが、眼鏡をかけても遠くも近くもかすんで見える時は、白内障や緑内障、あるいは眼底疾患も考えられます。特に、急に視力が低下して左右の差が大きい時は、眼底出血や網膜剥離の可能性が高いので早めに受診してください。
目が疲れる(眼精疲労)場合は、いくつかの要因があります。まず、屈折異常(遠視・乱視)があって眼鏡をかけていない場合や眼鏡が合っていない場合があげられます。また、ドライアイ、緑内障、白内障、斜視(見ている方向に目が向いていないこと)など眼疾患に伴うことも少なくありません。そのほか、環境的要因(コンピューター作業・コンタクトレンズを装用したままでの長時間のデスクワーク・裁縫・読書・テレビの見過ぎなど)、全身的要因、精神的要因があり、これらの要因が複雑に関係していることが考えられます。治療をすることも大事ですが、病気の出現に生活様式が関与していることの多い時代です。規則正しく、精神的に安定した生活をして、目にとっていい環境を保つことも重要なのかもしれません。
いずれにしても、視力の低下や眼精疲労を自覚する時は、何らかの目の病気が関係していることがあります。また、現在眼鏡を使用している人も、近視や遠視、老眼が進行したり乱視が出ると、眼鏡の作り替えが必要となります。検診のつもりで眼鏡を持参の上、一度眼科を受診することをお勧めします。