- マレットフィンガー(槌指)について
- 投稿者:にのみや整形外科 二宮 康明
いわゆる突き指でおこるけがです。指の第一関節が曲がったままで伸びなくなってしまった状態です。
症状
指の第一関節が曲がったままで痛みや腫れがあり、自動伸展は不能で自分で伸ばそうと思っても伸ばせません。しかし他動伸展は可能で手伝うと伸ばすことができます。
原因
1 腱が原因
末筋骨(指の一番先端にある骨)に付着している伸筋腱(指を伸ばすスジ)が切れてしまった。
2 骨が原因
第一関節で末筋骨の伸筋腱の付着部が骨折してしまった。
治療法
1 腱が原因の場合
保存的治療が一般的です。第一関節を伸ばした状態に保つ装具を2ヶ月程度装着します。
2 骨が原因の場合
手術が一般的です。最近では切開をしないで、皮膚の上から細いピンを刺して骨折部を固定する手術が主流になっています。
最後に
このマッレトフィンガー(槌指)は突き指というありふれたけがでおこります。しかし痛みや腫れが軽度であったり、第一関節の曲がり(槌指変形)があまりにも目立たない場合もあり、単なる突き指だろうと考えられて受傷して1ヵ月もたって受診する方もいらっしゃいます。その場合治療は手遅れでどうすることもできません。このけがは受傷して早期に治療すればほとんどの場合きちんと治ります。そのためには整形外科専門医の診察を受けていただき、第一関節を伸ばす腱が切れてないか、またレントゲン写真を撮って末筋骨の骨折がないかを診断することが重要です。ですから突き指をされた場合は念のため整形外科専門医を受診されることをお勧めします。
平成26年3月