- コロナ禍下での健康スポーツ
- 投稿者:権藤内科循環器科 院長 権藤 秀之
昨年初頭から流行し始めた新型コロナ感染症は第5波の大きな流行のあとワクチン接種率が高まったためかかなり収束してきました。しかしこのまま終息するのかまだまだ予断を許さないところです。そんな中で『コロナのせいで一日中家にいて太ってしまった』などということを耳にします。今回はこれについて考えてみましょう。
新型コロナに限らず呼吸器感染症は密閉・密集・密接の三密を避ければ感染を防ぐことは可能といわれています。実際に飲酒を伴う長時間の会食や密閉空間(カラオケ)での高歌放吟などで集団感染が報道されていますね。しかしそうでない場合、すなわち屋外での活動やスポーツ(接触しないもの)で集団感染があったことはありません。ウォーキング、ジョギング、山歩き、サイクリング、ゴルフなどの屋外スポーツは集合場所(クラブハウス等)での密集に気をつければ問題ないといえます。水泳は殆ど屋内で行われますが泳いでいるときに密集することはありませんのでこれも問題ないでしょう。
これらの健康スポーツのエネルギー消費量を見てみましょう。体重60Kgと仮定して算出すると次のようになります。
ウォーキング 30分→110kcal ジョギング 30分→221kcal
山歩き3時間→ 1380kcal 自転車(時速20Km ) 60分→504kcal
ゴルフ1ラウンド(カートあり)→およそ500kcal
ゆっくりクロール 30分 →183kcal ゆったりストレッチ30分→72kcal
ちなみにお家にお籠りした場合は
横になって静かにテレビを見る 30分→32kcal
座って音楽を聴く 30分→48kcal
座ってパソコン作業をする 30分→48kcal
と、圧倒的にエネルギー消費が少なくその分脂肪となって蓄積されます。
健康を維持するためには一日当たり197kcal(体重60Kgの人の場合)以上の運動が勧められています。食べるほうの熱量は、おにぎり1個 180Kcal、ご飯1杯 240Kcalと言われていますからできれば毎日おにぎり1個分だけでも運動で消費したいものです。
いたずらにコロナ感染を怖がって一日中家の中にいると運動量が極端に減って筋力、持久力そして免疫力も低下して、日光に当たらないため骨も脆くなってしまいます(生活不活発病)。新型コロナ禍の元であっても適度な屋外での活動は必要です。これから運動しやすい気候になります。天気の良い日には、家を出て外で体を動かしましょう。
参考資料 国立健康・栄養研究所の栄養・代謝研究部 「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』
令和3年11月