- コンタクトレンズと角膜障害
- 投稿者:はたせ眼科医院 院長 畑瀬真智子
今日、コンタクトレンズ(CL)の装用者は、約1200万人に達すると言われています。 特に、使い捨てCLが普及してきたことで、より使いやすくなり、また遠近両用CLや カラーCLなども登場したことで、多種多様な人々が利用していると思われます。
しかし、CLは角膜に長時間触れている異物であることを忘れて、間違った使い方をしていると重篤な合併症を引き起こし、失明につながることもあります。
☆ 初心、忘るべからず
初めてCLを処方された時には、装用方法のみならず、正しい手入れのし方を教わり、取り扱い説明書を渡され、熟読・熟知して、この通りにするように指導されたはずです。
ところが、長年、使って慣れてくると、人間というのは、だんだん手抜きをするようになり、特に忙しい時には、CLをはずした後に洗浄・消毒をせずに、そのまま保存ケースになおしてしまう人は、たくさんいます。一晩の間に、CLの中で細菌が増殖することになります。
時々、取り扱い説明書を取り出して読み直してみましょう。
☆CLつけたまま寝るべからず
1週間連続装用できるCLもありますが、その他のCLでは基本的に、つけたまま寝るのは良くありません。就寝中は、涙の分泌量も減り、CL下の涙液交換が充分でないので、角膜が酸素不足におちいりやすいのです。角膜潰瘍や角膜浸潤の誘因となります。
☆保存容器も清潔に
CLをきちんと洗浄・消毒していても、意外と忘れているのが保存ケースの汚れです。 保存ケースも、CLを装用している間に、よく洗って乾燥させておくことが大切です。 保存液は毎日交換し、保存ケースも3ケ月毎くらいに、新しいものに交換しましょう。
☆メガネは必ず持ちましょう
角膜に小さなキズがあると、細菌感染をおこして重篤な角膜潰瘍に発展することがあります。 メガネを持っていないと、少しの痛みや充血があっても我慢してCLを装用しつづけることになります。 充血や異物感、痛みがある時は、必ずCLをすぐに外して、眼科専門医を受診して下さい。
☆カラーCLに注意
この頃は、おしゃれのためだけに、カラーCLを利用する人も増えてきました。 視力が良いのに、わざわざCLを使うことには、あまり賛成できません。
それは、利用している人に、医療用具を使っているという自覚がないということもありますが、もうひとつは、カラーCLの中には粗悪品も売られているという理由もあります。日用雑貨品の安売り量販店などで、無雑作に並べられているようなカラーCLを使って、角膜障害を起こしてくる人は多いのです。
平成21年12月