一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 不正性器出血について
  • 投稿者:牛嶋産婦人科クリニック 院長 牛嶋 春生

 

平成30年12月に分娩をやめました。

 

平成4年4月に開業し26年8ヵ月8109例の分娩に携わって参りました。

 

辛い時や、いやな事もありましたが、充実した診療を続ける事が出来ました事は、全ての患者様に感謝感謝でございます。

 

開院時1番に受診された登録No.1の患者様は開院初日、玄関前に待っておられた妊婦さんで無事出産され、そのお子様も当院にて出産されました。ご本人は現在更年期で受診されてます。感謝です。

 

もう一人感銘を受けた患者様がいらっしゃいました。平成27年で31歳、9番目と10番目のお子様をを当院で出産された方です。それまでは早産や双胎で久留米大学や聖マリアでご出産され、個人病院は当院が初めてと云う事でした。とても10人もお産された方には見えず、実際お産はとても安産でした。心に残った事は、当院では退院前に記念写真を撮り、絵皿にしてお渡しするのですが、10人のお子供様達が年長者と年少者の各々ペアーが出来ていて、年長者は良くお世話が出来、年下のお子様は言う事を聞いているのを見て、とても驚き感銘を受けました。退院の時はマイクロバスでどこかのクラブチームの様でした。この時代こんな大家族、教育の行き届いたご家族に感激致しました。もう産まないとはおっしゃっていましたが何処かでお産をされておられるかもです。

 

現在は婦人科中心の診療を2年ほど続けておりますが、その中で2例、心に強く残る症例がございます。どちらも子宮癌です。1例は子宮体がん、閉経後の不正出血で来院、子宮頸部の癌険診と子宮体部の癌検診を行ないました。結果はどちらも異常なし、しかし出血は持続,超音波検査で子宮内膜の肥厚が見られたため、聖マリアに子宮内膜組織診を依頼、子宮体がんでした。手術予定でCTなどの術前検査を行なった所全身転移状態で紹介から3ヶ月経たずお亡くなりになりました。子宮体がんの細胞診は判断が難しいらしく、異常なしでも要注意!

 

2例目は子宮頚がん、大量出血と大量帯下で来院、子宮浸潤癌で直ちに久留米大学婦人科に紹介,放射線療法と抗がん剤治療が行なわれ、一時経過の良い時期もあったのですが1年ちょっとでお亡くなりになりました。友人のお嬢様だったのもあり本当にお気の毒でした。

 

どちらも不正出血が数年あったと思われます。不正出血を普通の生理と勘違いされてる患者様は多いです。毎回の出血量が同量なら問題ないのですが、多かったり少なかったら不正出血の可能性があり、要注意です。

 

10代の不正出血は未熟未発達のためで、無月経も同様です。どちらもホルモンチェックしエストロゲン、プロゲストロンを使用し月経周期を作り間接的に排卵を促す治療をおこないます。尚、未成年の場合は極力内診は行ないません。

 

20〜40代の生理不順はストレスや内分泌疾患からの生理不順があります。不妊症の原因にもなります。ホルモンバランスの治療や排卵誘発等の治療を行います。

 

過多月経を伴う生理不順には子宮筋腫や子宮腺筋症等があり偽閉経療法(内服,注射)、ピル等のホルモン療法、手術等で治療します。

 

閉経前後の生理不順は良くありますが子宮癌検診で異常なしの確認が必要です。

 

寝たきり等の患者様は子宮留膿腫、留水腫という子宮内に膿や水が貯まったりし感染症になります。

 

卵巣がんは偶然見つかる事が多い疾患で検診で見つかることは稀です。お腹が張る、下腹部が痛いとかで卵巣嚢腫、卵巣腫瘍、運が悪ければ卵巣がんと言う感じです。

 

以上漠然と思いつくままに書きましたので多少おかしいところがあるかも知れませんがご了承下さい。

 

あともう少し小郡医師会にお世話になります。どうぞ宜しくお願い致します。

 

令和2年12月

 

 

 

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