- 前立腺肥大症について
- 投稿者:福山泌尿器科医院 院長 福山 明
泌尿器科疾患で一番多い病気は前立腺肥大症です。
前立腺は男性だけにある臓器で、ちょうどクルミのような大きさと形をしており、膀胱のすぐ下にあり、精液の一部を作っています。
前立腺肥大症とは年齢と深い関係があり、加齢とともに肥大は進み、次第に尿道を圧迫し、尿の出が悪くなった状態です。
初期の症状はトイレに行く回数が増え、とくに夜寝てから2,3回排尿に起きるようになります。尿の放出力がやや勢いがなくなり、すっきりしない排尿になってきます。トイレに行ってもすぐ出なくて、終わるまでに時間がかかります。若い時に比べ尿は勢い良く飛ばず、排尿した後も不快感な感じ「残尿感」があり、排尿の異常をはっきり自覚する時期です。
排尿困難の症状がいよいよ進行すると、排尿の回数が昼も夜も増え、その上、時間がかかるので、隣の人の排尿を気にするようになります。長時間の乗り物や宴会の後などで尿が一滴も出ず「尿閉」、苦しむこともあります。
主な治療法は薬で前立腺を小さくしたり、排尿力を強くさせる方法があります。内服治療で効果がない時は手術になります。現在は内視鏡による手術が主で、一週間ほどの入院が必要です。
現在、前立腺肥大症とともに前立腺癌も増加しています。50歳を過ぎたら、年に1回、PSA検査をお勧めします。血液検査で前立腺癌の診断がある程度可能です。
平成21年4月