- 多剤併用・ポリファーマシー
- 投稿者:まどかファミリークリニック 貴島 啓介
みなさんは、「もう少しお薬の数を減らすことができないかな」と感じたことはありませんか。
多くの種類の薬を飲んでいることを多剤併用といいます。
今日は、そんな多剤併用に関するお話です。
まず、多剤併用となる理由についてお話します。多剤併用は、高齢者に起きやすい傾向にあります。これは、①加齢とともに、持っている病気が増えること、②治療による効果不十分の場合に(十分に検討した上ではありますが)薬剤が増えることが、多剤併用の主因と言われています。
持っている病気が増えると、受診する科が増えてしまいます。
例えば、糖尿病・高血圧・心房細動・高コレステロール血症・脳梗塞後遺症・変形性膝関節症がある方で、糖尿病内科・循環器内科・脳神経外科・整形外科と4つの診療科を受診されている患者さんがいます。
この様に、それぞれの病気に対して診る医師がそれぞれ異なると、意図せず類似薬が処方されてしまうことがあります。
まずは、この様に類似薬が処方されることを予防する必要があります。
類似薬が処方されることを予防するために、お薬手帳を使い、それぞれの医師・薬剤師と情報共有をすることが大事です。そうすることで、医師同士がお互いの処方内容を把握できます。また、万が一、類似薬が処方されてしまっても薬剤師が気づくことができ、処方医に連絡することができます。
お薬手帳は多剤併用の予防になるんですね。
医療機関を受診する際には、是非お薬手帳をご持参ください。
それでは、実際にお薬の種類が増えてきたなと感じた際にどうしたら良いかも考えてみましょう。
「薬の数を減らすことができないかな」と感じた際には、ぜひ処方している医師に相談してみてください。
医師も“薬を減らせないか・中止ができないか”を常に考えています。ご本人の体の調子、お薬をやめたときの良い点・悪い点、副作用の可能性などを一緒に十分に検討しながら、考えていきましょう。
お薬が意図せず多くなることへの予防や、実際に多くなったときの対応について書かしていただきました。この記事がみなさんにとって少しでも何かのお役にたてば幸いです。
令和元年5月