一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 夜間排尿回数の増加について(排尿記録の有用性について)
  • 投稿者:山下泌尿器科医院 冨安 克郎

 排尿障害には、頻尿、排尿痛、尿失禁などがありますが、そのなかでも最も訴えが多いのが夜間排尿回数の増加です。
 実は、夜間排尿回数の増加には多くの臓器や疾患が絡んでおり、膀胱だけが悪いのではないことをご説明します。またそれを見極める非常に簡単な検査をご説明します。
 夜間排尿回数の増加は、その原因として最も多いのが夜間尿量の増加です。若いころの2倍3倍の尿が夜間に作られているとすれば、夜間の排尿回数が増加しても膀胱の責任ではないという事がわかるでしょう。膀胱は、たまったから排尿しているだけで病的ではないのです。
 1日に作られる尿量のうち夜間に出る量が33%をこえると夜間多尿とされます。1日の尿量が1.5Lとすると夜間多尿とされる33%だと夜間に500mL です。1回尿量が150mLとするとそれだけで夜間3,4回の排尿回数となります。
 自分の排尿を知るためには、病院に行くまでもなく排尿記録をつけるという方法があります。1日中自宅にいる日を選んで、24時間で何時に排尿して量はどれくらいだったかという表を作ります。量を測るのは、使い捨ての計量カップが安価であります。これは、特に医療機械や測定機なども必要なく副作用もなく最も簡単だけれども多くの情報を得られる検査です。
 その結果を見るだけで夜間の排尿について尿量が多くて何度もしているのか、尿量は多くなくても尿意があり排尿しているのかという事がわかります。それがわかるだけでも診断のための大きな参考になります。そのデータをもって病院を受診することもありです。
 また夜間多尿であることがわかったのであれば、原因として心臓病、糖尿病、悪性腫瘍など全身疾患が隠れていることもありそこから早期に医療を受けるきっかけになることもあるでしょう。
 排尿記録は、夜間排尿回数が多くなったら一度やってみていい検査です。病院に行かずに、安価で安全性の高いそして有用な検査です。夜排尿のため起きる回数が増えたなと思ったら、一度やってみてください。

 

 

令和7年4月1日

PAGE TOP