一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 心臓病
  • 投稿者:佐々木医院 院長 佐々木 一彦

年をとると、若いころのように無理がきかなくなることはよく経験されることと思います。心臓も年をとると共にその能力が低下してくるものです。30歳ごろから動脈硬化は進行し、40歳を過ぎると血圧も高くなり、心臓病も急に増加し、高血圧症、不整脈、狭心症、心筋梗室等の心臓病にかかりやすくなり注意が必要です。そこで働き盛りの人に多発する狭心症と心筋梗塞について述べることにします。
心臓は冠状動脈と呼ばれる血管から栄養を取り入れ、休まずに働いているのです。ところが冠状動脈の一部に動脈硬化等で血管内腔が狭くなって血流が不足することにより起こる病気が「狭心症」であり、血管の内腔が詰まり血流が流れなくなり、心筋が壊死の状態になる病気が「心筋梗塞」であります。
狭心症には運動中などの動作時に起こる労作狭心症と安静時に起こる安静狭心症があり、痛みの特徴は胸を締めつけられるような痛みで、胸だけでなく、腕、あご、腹部等へ放散し広範囲に及ぶことがあり、痛みの継続時間は5分から15分程度です。一日中続く痛みは狭心症以外の病気を考えるべきでしょう。狭心症で死に至ることはほとんどありませんが、心筋梗塞の前ぶれであることを考えておく必要があります。

心筋梗塞は生命にかかわる怖い病気です。心筋梗塞の痛みの特徴は、胸の中央あるいは胸全体が締めつけられるような激しい痛みで、痛みの総統時間は10分以上続き、冷や汗、吐き気、嘔吐等の症状が出たり、意識がなくなるようなこともあります
心筋梗塞は何の前ぶれもなく突然発生することもありますが、前ぶれとなる症状が現れることも少なくありません。前ぶれは検診等を受けることによって発見できるのです。前ぶれとなる危険因子としては、高血圧 高脂血症 糖尿病 肥満 喫煙 運動不足 ストレス等であり、このような危険因子を持っている人は、食生活の改善や運動等で心臓病を予防することに十分に心がけることが大切です。危険因子が多いほど心筋梗塞になる確率は高いのです。
心臓発作(胸痛)が起こったときは、適切な処置を行わないと生命にかかわります。心筋梗塞の治療は時間との勝負といえます。一刻も早く医療機関へ行き治療を受けることが必要です。いざというときのために、気適確保、人工呼吸、心臓マッサージの方法を覚えておきましょう。定期的に検診を受け、病気にならないように身体のことに十分気を付けていただきたいものです。

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