- 毛虫による皮膚炎
- 投稿者:大刀洗診療所 院長 友清 明
4月から10月ごろまでよく見られるのが毛虫による皮膚炎です。中でも多いのがチャドクガの幼虫によるものです。椿やサザンカの木についています。葉の裏についているので気付かず触ってしまい被害にあうようです。剪定をして枝を燃やすときなどに気付かないで触り毒針(毛)が刺さって皮膚炎をおこします。中には傍を通っただけで被害にあう方もいます。風で吹き飛んだ毛がたまたま運悪く刺さったのかもしれません。結構かゆみが強く10日くらい続きます。ときに2~3週間続くこともあります。被害にあう時期は5月から8月が多いようです。
その他にも松についているマツカレハの幼虫によるものがあり、これもかゆみが強く5~10日、ときに2~3週間続きます。
柿や梨の木についているイラガの幼虫は少し変わった毛の生え方をしています。毛が刺さった時は激痛が走りますがかゆみはなく3日ぐらいで治ります。
治療は毛が残っていたら取り除き、抗アレルギー剤または抗ヒスタミン剤の内服とステロイドホルモン剤軟膏の塗布。かゆみの強いときは強力ミノファーゲンCの静脈注射を行います。
また毛虫ではありませんが、夏場でときどき見かけるものに、アオバアリガタハネカクシによる線状皮膚炎があります。虫が体に止まり払いのけようとしつぶれて虫の体液が付くと起こります。線状に水疱と発赤が見られ、水疱が破れ他の場所につくとそこに新しく水疱ができますので、治療は完全に治るまではガーゼ等でしっかり被い他に移らないようにすることが大事です。
平成23年12月