- 漢方についてのお話
- 投稿者:毛利クリニック 院長 毛利 康茂
今日は漢方について、少しお話させていただきます。
紀元前の昔に中国で成立した医学が、日本に輸入されて、独自の発展をしたのが現在の漢方医学です。
東洋医学では、独自の理論に基づいて医療行為を行います。
漢方診療では、体の状態を把握するために、東洋医学的な診察を行います。
流派によって診察方法が少し異なります。
私の場合、まず問診や望診(視診)で始め、舌診(舌の色や形)、脈診、腹診を行い、その結果漢方薬を決めます。体力の虚実、病気の重症度によって、一見同じ症状でも、患者さんによってお薬が異なることがあります。
漢方治療では、自然界にある物を使用して、薬として用います。例えば、生姜や桂枝など。 生薬といって、多種類の薬効成分が含有されています。さらにこの生薬を組み合わせて、ひとつの基本薬(例えば四君子湯など)が作られます。これを組み合わせて、漢方薬が処方されます。
西洋薬では有効成分が一種類であることが多く、科学的に合成されますが、漢方薬は自然界にある物を取り出し、或いは栽培したものを利用して作ります。
特に戦後、日本で、漢方薬が煎じ薬からエキスにされた薬が開発されたことから、その利用が容易になりました。
現在、保健薬として認可されているため、医療機関で使用することが出来ます。
一般治療で治癒が困難な患者さんや担癌患者さんに、一般薬との併用治療をしたり、又、体質改善の目的など、多方面で利用されています。
今後も皆様の健康を担う一助として、利用される事を望みます。
お近くに漢方に精通した医師がおられましたら、どうぞお尋ねください。
平成27年6月