一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

倉岡外科内科医院 院長 倉岡 圭

  • 癌の早期発見
  • 投稿者:倉岡外科内科医院 院長 倉岡 圭

日本の死因別死亡率のトップは「癌」です。
癌の治療法は日々進化しておりますが、もっとも確実に癌を治療するには、できる限り早期に発見することが非常に重要であると考えます。早期の癌であれば、癌種にもよりますが、生存率は90%以上とほとんどの癌に関して治癒が望めます。
しかし初期の癌であれば自覚症状がほとんど認められないことからも、なかなか早期発見することは困難です。
ではどうすれば早期に癌を発見できるのか?

 ★定期的に検査(健康診断)を受ける。

ことにつきるのではないかと考えます。
小郡市でも肺癌、胃癌、大腸癌、前立腺癌、子宮癌、乳癌など(肝炎ウイルス含む)のさまざまな癌検診が行われております。癌検診を定期的に行うことも非常に重要であると考えますが、日々の定期的な検査の中で、検査値の異常、診察所見などで癌が発見されることも少なくありませんので、かかりつけ医の存在も非常に重要と考えます。
胃癌、大腸癌は内視鏡治療可能病変であれば、内視鏡治療技術の進化により、ほぼ100%の治癒が可能ですので、便潜血検査のみならず、定期的な内視鏡検査も非常に有用であると考えています。

 また膵臓癌という病気があります。早期発見が非常に困難な病気であり、早期発見したとしても非常に予後の悪い病気です。もっとも早期の進行度(StageI)でも5年生存率が50%台、全体で10%と他の癌に比べて、非常に悪性度の高い癌です。
この病気をできるだけ早期発見するためにはどうしたらよいのか?
やはり、定期的な検査ではないかと思います。これにはまず腹部エコー検査、採血検査で疑わしい症例をひっかけることが重要です。疑わしき症例は精密検査を速やかに行い、診断にいたることが重要であると考えます。また高リスク群(慢性膵炎、膵管拡張症例、膵のう胞[膵臓にできた袋みたいなもの])をピックアップし、変化を定期的に検査することが重要です。地域によっては積極的に早期発見に取り組んである地域も存在しています。

 簡単ではありましたが、癌の早期発見に関して述べさせていただきました。定期的な検査の有用性を少しでも伝えることができたならば幸いです。気になる点がございましたら、まず気軽に相談してください。

     
平成23年9月

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