- 白内障手術Q&A その3
- 投稿者:橋本眼科医院 院長 橋本 雅晶
Q1 白内障手術の手順は?
A1 1)麻酔:麻酔薬を点眼したり結膜下に注射することが一般的ですが、認知症の患者さんや小児の場合(主に先天性白内障や外傷性白内障)は全身麻酔となります。
2)傷口作成: 角膜の耳側よりダイヤモンドメスやスチールメスを用いて幅2.0~3.0mmで切開しています。この傷口は縫合しなくても手術終了時には自己閉鎖します。(図a)
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3)前嚢切開:注射針や特殊な細いピンセットを用いて水晶体の前面のカプセル(前嚢)に丸い穴を作成し打ち抜きます。この際切開縁に小さな亀裂でも生じると手術操作によって亀裂が後方に拡大し手術の継続や眼内レンズ挿入が困難になります。(図b)
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4)水晶体核の乳化吸引:創口に1秒間に約4万回縦振動する円筒形の金属棒を挿入し、金属棒の先端に水晶体の核片を吸いつけた状態で機械的に破砕して乳化吸引します。その際、水晶体カプセルは誤吸引されないように眼内灌流液の水流によって金属棒先端からは遠ざけられています。(図c) | |
5)水晶体皮質吸引:固い部分(水晶体核)を取り除いた後には柔らかい部分(皮質)が残りますので小さな穴を持つチップを挿入後、高圧で吸引し水晶体の外側(カプセル)のみを残します。(図d) |
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6)折り畳み眼内レンズ(IOL)の挿入:アクリルやシリコン製の眼内レンズを折り畳んでカートリッジという筒に装填し、創口を拡大せずにカートリッジを創口に挿入し、カートリッジ内の眼内レンズを水晶体カプセル内に挿入します。(図e)
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写真は東京慈恵会医科大学の常岡寛先生よりお借りしました。 |
Q2 白内障手術の動画は?
A2 このサイトにいくつかの手術ビデオが収録されています。
以前、「白内障手術Q&A その1・その2」 を投稿しています。ここをクリックしてご覧ください。
http://www.ogorimii-med.net/advice/hasi-ganka3.htm
http://www.ogorimii-med.net/advice/hasi-ganka4.htm
平成24年8月