一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 耳あかと外耳道湿疹
  • 投稿者:萩尾耳鼻咽喉科医院 院長 萩尾良介

「みみごとり」と云う言葉には、子供の時から慣れ親しんだ響きがあります。耳あかみみご、みみくそ、耳垢)は正常の新陳代謝の結果として出来ますが、それでも固くて大きいもの、小さな粉末のもの、べとべとして水あめの様なもの等その人の体質によって違いがみられます。またその出来る量も個人差があり、よく耳を刺激する人(いじる人)やゴミの多い所で働く人では出来る量が増えるようです。

 

耳あかのできる処は、外耳道と呼ばれる耳の入り口から大人で3センチ、子供で約2センチの細長い管で、皮膚に被われています。その外耳道の入り口付近は毛根、皮脂腺、耳垢腺が多く、そこからでた分泌物や脱落した皮膚片(あか),ごみ等が耳あかの原料となっています。つまり耳あかは耳の入り口付近に多くできます。
正常の耳といえども耳あかがたまっつてくると、ガサガサ、ゴソゴソと音がしたり、ときには耳の聞こえが悪くなったりするので、個人差はありますが10日から1ヶ月に1回ぐらいは取った方が良いようです。

 

最近は洗髪の後や入浴の度に耳の掃除をする人がいますが、時には一皮多く剥ぎ取る状態となり、皮膚に傷がつくとその後にカサブタが付き、それを次の日に又剥ぎ取る。これを繰り返してついに細菌が感染して湿疹となり、かゆみや分泌物が出てきて、それが付着して耳介や顔面や頭皮までひろがる人もあります。

 

私たちの耳は鼓膜が正常なら水がはいっても心配なく、そのまま放っておくと2–3時間で乾燥してしまいます。水泳や洗髪の後でも、タオルで耳の入り口をよく拭くだけで十分です。しかし耳あかがたまっている人では耳あかが水を吸ってふくれ、耳の閉塞感や湿疹の原因となることもあるので水泳のまえに耳あかを取って下さい

耳あかを取るときは自分で取る時も、子供のものを取ってやる時も、近くに人のいない時にしてください。取っている人のヒジに後ろから第三者が当たって鼓膜を破った例もあります。

 

安全な耳あかを取る方法は、周りに人がいない時にまず細めの綿棒の先端から2センチぐらいの処をしっかりと持って、すこしねじる(ひねる)様にしてかきだして下さい。太い綿棒ではかえて奥の方に押し込む人もあるようです。
どうしても取れない時や痛がる時、又大きくて固い時は専門医のところで取った方が良いでしょう。

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