- 肥満は健康の敵
- 投稿者:佐々木医院 院長 佐々木 一彦
1.肥満とは
肥満とは、一般的には「太りすぎ」で体脂肪が過剰に蓄積された状態であり医学的には脂肪が一定の基準を越えた状態をいいます。
一定の基準とは、日本肥満学会のBMI(体格指数)が広く用いられています。統計的に最も病気にかかり難い「BMI=22」を理想体重としてBMI=25以上が肥満とされています。
肥満度は4段階に分かれています。(詳細は『5.肥満から起こる様々な病気とBMI計算式』を参照)
肥満には2つのタイプがあります。
皮膚の下に脂肪がつく「皮下脂肪型」と内蔵の周辺に脂肪が溜まる「内臓肥満型」です。肥満から起こる病気の元凶とされるのは「内臓脂肪型」です。「内臓脂肪型肥満」の状態になると高血圧症、糖尿病、脂質異常症等が引き起こされます。更にそれらが要因となり動脈硬化が起こるのです。内臓脂肪型肥満かどうかを知る方法として、腹囲(臍の高さで腹の周囲径)を測定し、男性では腹囲85cm以上、女性では90cm以上を内臓脂肪型肥満と判定します。
2.肥満の原因
食生活やライフスタイルの変化で栄養状態が良くなったことに伴い肥満の人が増えてきています。子供のころからの生活習慣、特に食習慣に大きな原因があります。間食、夜食の習慣、油っこいものや甘いもの等、高カロリーの食事が多い事が挙げられ、必要以上のエネルギーを摂っていることが問題です。
3.ダイエットについて
ダイエットの基本は食生活の改善と運動療法で効果的に内臓脂肪を減らすことです。
1)食生活の改善では食べ方の悪習慣を改める。
* 一日三食を規則正しくとり夕食は軽めにする。
* 夜食は控える。(就寝3時間前になったら食べ物を控える。)
* エネルギー過多にならないように食べ過ぎに気をつける。
* 脂肪の摂取量が多くならないようにする。
* 緑黄色野菜を多く食べる。
2)運動の習慣をつける
* 運動の種類:ウォーキング、軽いジョギング、水泳、サイクリング等の有酸素運動を行う。
* 運動の量:毎日する時は1日30分間、1日おきの時は1日60分間(週3日程度)
* 運動の強さ:強さの感じ方は「楽である」→「ややきつい」と感じる程度の強度で無理なく続けることです。(ボルグスケール法)
4.肥満になったら
肥満によってどんな健康障害があるかを知ることが重要です。また、「内臓脂肪型」であるのか「皮下脂肪型」であるのかを知ることも重要であり、肥満の特徴は一人一人違いますから主治医と十分に相談され治療方針を決めることが大切でしょう。
5.肥満から起こる様々な病気とBMI計算式
BMI=体重÷身長(m)÷身長(m)
<計算例>
体重65kg、身長165cmの場合
65kg(体重)÷1.65(身長m換算)÷1.65(身長m換算)≒23.9
この時のBMIは23.9となります。
BMI |
|
低体重(やせ) | 18.5未満 |
普通体重 | 18.5以上 25未満 |
肥満(1度) | 25以上 30未満 |
肥満(2度) | 30以上 35未満 |
肥満(3度) | 35以上 40未満 |
肥満(4度) | 40以上 |
平成23年8月