- 足と靴
- 投稿者:上野整形外科医院 院長 上野 博章
足に痛みがあると、長時間の起立、歩行や運動の障害となる。痛みは色々な原因でおこりますが、広く靴が着用されるようになって外反母趾をはじめとする足の疾患も増えてきました。
足の形は様々ですが、後足部、中足部と前足部に分けられる。
26個に骨で構成されて、靭帯(骨と骨をつなぐスジ)と筋肉で形を維持している。横から見ても、前から見ても上に凸のアーチがあり、効率よく体重の負荷を分散し、一部に負荷が集中しないようになっています。
足に変形があると、踵のアキレス腱の付着部(後に出っ張っている部分)に腫れや発赤をともなった痛みがでることがあります…一踵骨後部滑液包炎。新しい靴が原因の事が多いようです。
また、足のゆびや足の裏に胼胝(タコ)が出来やすくなることもあります。
また、おやゆびの内側やこゆびの外側に痛みがでることもあります。最近注目されている外反母趾も起こりやすくなります。これは先の細い靴やハイヒールをはくことで、おやゆびが外側に変形して内側に痛み、腫れ、発赤が出現し歩行障害となります。遺伝的素因が関与していることもあります。
予防には、原因と思われる靴を履かないこと、こまめに靴を脱ぐこと、長時間の歩行を避けること、体重の減少を図ることなどが必要です。
また、おやゆびを内側に矯正する体操によって変形の増大を防止することも重要です。変形が軽い時は装具をつけることもあります。変形が強い場合は手術が必要になることもありますが、痛みがなければ、変形の矯正のためだけには一般的には手術はしません。
爪に変形があると、その周囲に炎症がおこりやすくなります。特におやゆびの爪の変形でよくみられるのがマキヅメです。これがあると化膿性の炎症をくりかえして手術が必要になることがあります。予防は、先の細い靴、ハイヒール、小さい靴などを避けて、清潔にして、乾燥に心がけることです。
このほか靴による障害は色々ありますので、自分の足に合った、形にとらわれない、ゆとりのある靴で楽しく歩きたいものです。
歩くことによって、体重増加や筋力低下などを防止して生活習慣病を予防しましょう。