- 関節リウマチの治療
- 投稿者:本間病院 内科・リウマチ科 本松 利治
関節リウマチ(以下リウマチと略)は、難病で治らないと長い間言われてきました。
医学が進歩し、リウマチと診断されても、病気の進行を止めることができ、一部は治るようになってきました。従って、リウマチを治療するためには、早期に診断を受け、適切な治療を早期から行うことが大切です。
1. 診断について
症状の特徴は、複数の左右対称の関節が腫れて痛む持続性の関節炎と朝起床時の手足のこわばりです。また、リウマチは、貧血や肺疾患など関節以外の病変も合併する全身性の病気です。関節炎が長く続くと、関節変形や関節の破壊が起こり、手足の機能障害が進行します。しかし、関節の変形や破壊が起こる前に、出来るだけ早く診断し治療を始めれば、リウマチの進行が止まり治癒する可能性が大きくなります。そのために、リウマチを出来るだけ早期に診断する方法が研究されています検査では、リウマトイド因子や血沈やCRPが増加しますが、早期診断に有用な新しい検査も開発されてきました。リウマチの診断は、簡単に診断できる症状や検査がありませんので、種々の症状や検査から総合的に行われます。
2. 治療について
リウマチの治療法には、適切な療養生活を送るための基礎療法、薬物治療、リハビリ、外科治療などがあります。全ての患者さんに共通して大切なものは、リハビリを含む基礎療法と薬物治療です。慢性の病気の治療には、医学的な治療と同時に、基礎療法が必要です。時間の大部分を占める日常生活の過ごし方が大切だからです。
薬物治療の中心は、抗リウマチ薬と生物学的製剤です。両者とも、リウマチの活動性を抑制し、進行を止め、あるいは治すことが可能です。有効かつ安全に使用するためには、専門的な知識が必要です。その他、鎮痛剤や副腎皮質ホルモンなども使いますが、 いずれも長期間使用しますので、薬の副作用防止も大切になります。
リハビリや療養生活の基本は、運動と安静のバランスです。まず積極的に身体を動かす必要がありますが、過度な運動や負担は病気を悪化させます。そのため、心身の安静や傷んだ関節を保護する工夫が大切になります。食事は、リウマチに良い食材は特にないようですから、健康に良い食事を心がければよいでしょう。病気のことばかり考えて暮らせば、暗くストレスの多い生活になります。家族や友人や趣味や仕事を大切に、積極的な生活を心がけてください。
外科療法は、人工関節置換術をはじめ各種の手術法が進歩し、薬やリハビリだけで解決しない痛みや身体機能障害を改善することが出来ます。
3.まとめ
このように、リウマチは、早期から適切な治療を受ければ、病気を治し得る時代になってきました。リウマチを疑えば、早く受診し相談されることをお勧めします。
平成19年1月