- 緊張性頭痛
- 投稿者:大刀洗診療所 院長 友清 明
緊張型頭痛とか筋収縮性頭痛などとも呼ばれ、頭痛全体の約60%を占めると言われています。
症状:うなじから後頭部にかけての痛みや、頭頂部からこめかみにかけて重苦しくすっきりせず、「鍋を被っている感じ」とか「こめかみに何か張り付いている感じ」などと訴えるほかに、「焦点が合わず物や文字がダブって見える、新聞や雑誌を見る気になれない、蛍光灯の光がなんとなくくすんで暗く見える。」などの訴えもあります。ひどいとめまいや吐き気も訴えます。
原因:首や肩の筋肉が緊張(収縮)しているために起こり、ストレスが長く続いたり、パソコン、ワープロ作業をされる方、事務仕事、美容業、理容業などに携わる人、草取り、編物などの首や肩が凝るこることをした後、また度数の合わないメガネをかけたり、歯の噛み合わせが悪かったりしても起こります。
予防および治療:十分な睡眠や休息を取るのは勿論、なるべくストレスをためないように気分転換や好きな事をして発散したり、作業の途中で一休みして首や肩だけでなく腕や足腰のストレッチをしたり、ゆっくりお風呂につかり全身の筋肉を揉み解すのも効果があります。 メガネや歯に問題がある方は、まずその矯正治療が必要なことは言うまでもございません。
その他の治療としては、精神安定剤や抗鬱剤、筋弛緩剤などの薬物療法がありますが、当診療所では浅頚神経叢ブロックを行っています。片方で0.5%キシロカイン10ccを3,4箇所に分け頚部に局注します。これだけでもかなり効果がありますが、さらにこめかみに0.25%マーカイン2ccを局注します。これらを左右両方に行います。
片方だけの症状を訴える方でも片方しかブロックしないと後で必ず、「ブロックしてもらった方は良くなったが、今度は逆の方が悪くなった」と訴えます。これは最初から両方悪いのですが、より悪いほうだけを悪く感じるために起こります。ブロックによって今まで悪いほうにばかり気を取られ、隠れていたのが表面化するからです。初めての方はびびりますが、局注そのものは大して痛くありません。むしろその前に痛む部分を押さえる方がはるかに痛いくらいです。一度受けると大して痛くないことがわかり、またその効果を実感し、悪くなれば再び受けに来られる方が殆どです。
このブロックの最大の利点は、すぐその場で効果が出てしかも長く持続することです。このブロックを受ける頻度は一年に大体1,2回です。ブロック後数分で効果が現れ、がちがちだった筋肉の緊張が取れ柔らかくなり、首や肩も軽くなり、頭痛も取れ、目もすっきりと明るく見えます。当診療所に赴任して9年近くなりますが、このブロックを受けられる方々も少しずつ増えてきています。一度受けられると次に来られたときに、前はいつ受けたのか大抵は覚えていないくらい効果が持続します。お悩みの方はぜひ御来院ください。