一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 子どもの肥満
  • 投稿者:古川内科消化器科小児科医院 院長 古川 和宏

近年、子どもの肥満が多くなったといわれます。肥満にも、軽いものから重いものまでいろいろですが、おおよそ、その子どもの体重が標準体重より30%以上多いものを肥満とみてよいと思います。
しかし、肥満は太り始めの早い時期に気付くことが大切です。乳児の肥満は身長の伸びも大きいのではとんど問題になりませんが、6歳末満では15%6歳以上では20%体重が標準体重より多くなったときは、太り始めだと思わねばなりません。学童では1クラスに2、3人は肥満の子どもがいるようです。
では、子どもの肥満がなぜいけないかですが、まず、子どものときの肥満が大部分の人でそのまま大人の肥満につながり、糖尿病や動脈硬化症、高血圧、心臓病などの成人病の原因となるからです。また、太っていることが心の重荷になり、内にこもりがちになり、何事にも消極的で動作も鈍くなります。性格の形成にもよくありません
最近では大人並みの糖尿病になる子どもさえ出ています。肥満にならないためにはどうすればよいか。肥満になってから治すのと、肥満になりかかったときに早く気付き肥満になる前に予防するのとでは、予防する方がずっと易しく大事です。
なぜ太るかを簡単にいえば、食べ過ぎて、その上に運動が足らないからということになります。しかも、ハンバーグ、スパゲッティ、カレーライス、インスタント食品といったような脂っこく、糖質の多い食物をたくさん取り、魚のようなタンバタ質をあまり取らないということがあり、テレビを見たり、ファミコンをしながらスナック菓子を食べたり、ジュースを飲んだりが多いようです。あるいは、朝食をきちんと取らず夜遅くなって塾から帰って、どかっと一度に食べるというようなことがよくないようです。
一方の親か両親が肥満であれば、子どもも肥満になりやすいように思われますが、遺伝よることは少なく、一家中の食事の取り方と生活環境が同じであるために、家族全体が肥満になるものと思われます。
家族全員で食事の取り方を考え、皆で楽しく運動をするようにすることが大切です。そうすれば、子どもだけでなく、家族全体の健康づくりにも役立つことになります。


身長が標準の子どものおおよその標準体重(Kg)

2歳
12.7
 12.3
9歳
28.9
28.5
3歳
 14.6
 14.3
10歳
33.2
33.7
4歳
 16.4
 16.0
11歳
37.3
38.7
5歳
 18.1
 17.6
12歳
42.5
43.7
6歳
 20.1
 19.7
13歳
47.8
47.4
7歳
 23.1
 22.6
14歳
53.5
50.2
8歳
 25.9
 25.4
15歳
57.7
51.8

肥満度=(自分の体重-標準体重)÷標準体重×100(%)

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